Q1
JSA規格とは何ですか?
A
JSAは、日本規格協会の略称です。日本規格協会は、国営民営の団体であり、産業標準化法(経済産業省所管)第12条等に基づく、「管理システム規格」製作する唯一の認定産業標準作成機関です。
JSA-S規格は、JIS規格に准じた日本規格協会規格です。
Q2
JSA-S1025とは何ですか?
A
JSA-S1025は、25番目に作成されたJSA規格であり、職域で健康管理を行う際、専門家(以下「職域健康専門家」)に業務を行わせる際の「管理システム規格」です。医師(学会専門医)、弁護士、厚生労働省元職員、東証プラム企業職員、カウンセラーが委員となり、開発しました。
Q3
開発委員を教えてください(敬称略・順不同)
A
・西脇巧 ニシワキ弁護士事務所(元・主任労働基準監督官)
・北田昇平 花王株式会社(元・九州厚生局課長)
・庄司有機 アンフィニアンクル株式会社(カウンセラー)
・久米本貴利 富士フィルムシステムサービス株式会社(産業衛生専門医)
・朝長健太 株式会社産業予防医業機構(元・厚生労働省専門官)
Q4
職域健康専門家は、どういった専門家ですか?
A
個人の健康専門家は、医師・看護師に代表される様に数年の学習と実習を経て、資格試験に合格することが必要です。さらに、個人の健康専門家が、職域に関する学習等を行うことで、職域健康専門家になることができます。健康専門家が、失敗すると、最悪の場合、人が死亡するので、高いハードルが、設けられています。また、専門家として、経営者を法的に守ることが、求められています。
Q5
経営者が職域健康専門家を選任するメリットは、何ですか?
A
安全に関してですが、死亡労災事故について、経営者(担当役員)が、適切に専門家を選任していたことから、無罪になった最高裁判例があります(専門家は有罪)。従って、経営者が職域健康専門家に適切に健康管理を行わせることで、経営責任を果たしたことを、行政や司法に示すことができます。また、取引会社や顧客に対しても、説明することが容易になります。
Q6
安全に関して、経営者が守られた最高裁判例とは何ですか?
A
2016年5月25日最高裁第一小法廷、業務上過失致死傷被告事件において、安全対策の不備で爆発事故が発生し、従業員3人が死亡した事件です。経営者(担当役員)と専門家が起訴されました。
経営者は無罪で、専門家は業務上過失致死罪で禁固3年(執行猶予5年)の判決となりました。経営責任者は、専門家を適切に選び任せるまでであることが、最高裁により示されました。
なお、専門家は、建築設備士、技術士(衛生工学部門)の国家資格を保有していました。
Q7
経営者が、健康のこと分けるわけないのに、なぜ責任があるのでしょうか?
A
例えば、従業員が、企業の資産を不当に破壊し、損失が発生したら経営者は困ります。同様に、経営者が、不当な対応で、健康を害したら従業員は、困ります。そこで、経営者と従業員は相互義務が定められています。
経営者が、健康のことを学習することは不要です。しかし、専門家を適切に選び健康管理を任せることが重要です。
Q8
経営者が、引責辞任した事例は、どういった状況がありますか?
A
従業員が、死亡したことを理由として、経営者が、引責辞任した事例では、産業医を選任してましたが、適切に産業医の責任を課していなかったため、社長自らが、責任を負い引責辞任しました。
その他、死亡していなくても、経営者が、引責辞任しただけではなく、顧客が離れ、企業売上が500億円減った事例もあります。
専門家を選ぶだけではなく、適切に健康管理を行わせることが重要です。
Q9
中小企業には、どういったリスクがありますか?
A
従業員の健康障害リスクで、最も大きな損失は、事業が停止することです。
事業が停止した期間の損失は、数億円になる場合もあります。
また、休職に関係する損失も数百万円になります。その他、損害賠償請求、行政機関対応、労働基準局から事案を公表される等のリスクがあります。リスク低減のために、適切に職域健康専門家を選任することが重要です。
Q10
事故や事件は、起きてから対応すれば、良いのではないのか?
A
事故や事件が発生した場合、企業は物的・人的に損失が発生します。
損失を補填するために、費用が必要になります。関連して、誤解や生々しい情報が漏れないように管理する費用も発生します。不要な支払いを避けるためにも、事前の対策に努める必要があります。
また、事故や事件が起きた後に、行政や司法に対して、経営者が行った事前対策について、説明することが求められてす。
Q11
人権侵害が理由の健康障害は、対応をどうすれば良いのか?
A
いかなる理由であれ、健康障害がある場合は、職域健康専門家は適切に対応する責務があります。
経営者は、健康障害が認められた後の対策を、職域健康専門家に課すことが必要です。
しかし、産業医の社内コミュニケーションが不十分であったことから、経営者が引責辞任し、企業売上が500億円下がった事例があります。
人権侵害等、健康障害の理由によっては、コンプライアンス担当等の他の専門家と連帯を行わせることが重要です。
Q12
国家資格者との契約なのに仕様書・マニュアルが必要なのでしょうか?
A
国家資格者に業務を委託する際に仕様書・マニュアルを作成することは、単に業務内容を明確にするだけではなく、経営者と国家資格者間の認識のずれを防ぎ、成果物の品質を確保し、将来的なトラブルを回避するために不可欠です。多くの企業が、建築士、情報処理安全確保支援士、土地家屋調査士等の国家資格者と契約する際に、仕様書・マニュアルを利用しています。
職域健康専門家との契約でも同様になります。
Q13
職域健康専門家が仕様書を守らなかった場合、経営者は何を主張できるのか?
A
職域健康専門家が、仕様書に不適合があった場合は、経営者は
①追完請求(民法第562条)
②損害賠償請求(民法第564条)
③契約解除(民法第541・542条)
④報酬減額請求(民法第563条)
を主張できることが見込めます。従って、経営責任を明確にするためにも、仕様書を作成することが必要です。
一方、買主(経営者)に不適応の責任がある時は、追完請求は、できないものとも定められています。
Q14
JSA規格と健保メリットの関係をご教示ください?
A
日本規格協会より、産業予防医業機構よりJSA-S1025を維持管理団体に指定されています。
健保メリットは、産業予防医業機構よりJSA-S1025認定機関に指定されています。
JSA-S1025認証機関は、認証機関を満たした企業又はサービスに、健保メリットが、発行する認証マークを付与します。
Q15
JSA-S1025に関する良好事例 (健康診断書結果)
A
職域健康専門家が健康診断結果を確認し、従業員の健康リスクを区分することで、優先順位を定めた健康管理対策を行いました。
特に、ハイリスク群では、睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、アルコール性肝障害の早期発見、早期治療につなげることができました。
Q16
JSA-S1025に関係する良好事例 (ストレスチェック)?
A
職域健康専門家が、ストレスチェック結果を確認し、従業員と部署の健康リスクを区分することで、優先順位を定めた健康管理対策を行いました。
特に、高ストレス者の多い部署に対して、ストレス低減の対策を行ったことで、翌年には高ストレス者が減少し、生産性が向上したとの報告がありました。
Q17
JSA-S1025に関する良好事例 (ハラスメント対策)?
A
営業で優秀であった従業員が、異動先の総務で、ハラスメントを受けているとの訴えがありました。
当事者と関係者から主観的・客観的情報を集めたことにより、営業と総務では、書類の書き方の違いに暗黙のルールがあり、それがトラブルの原因となっていることを発見し、改善しました。訴え出た従業員は、その後、元気に働き、成果を向上させていました。
Q18
JSA-S1025に関する良好事例 (作業環境・作業改善)?
A
職域健康専門家が、社内研究所において、液体分析に関する装置の使い方が誤っていることを発見し、適切な使い方を徹底させました。
数か月後、事故が発生し、従業員は、腕に科学熱傷を負いましたが、顔は、守られました。
もし、適切な使い方でなければ、顔が科学熱傷を負い、最悪の場合は失明していましたが、不幸中の幸いでそれは避けられました。
Q19
JSA-S1025に関する良好事例 (休職者対応)?
A
10年間のうち、通算100日程度しか出勤していない繰り返す求職者に対して、職域健康専門家が主観的・客観的情報を収集した。
得られた情報を元に、関係者で協議し、求職者が業務を十分にできないことから、就業規則に基づき、自然退職となるよう整理することができた。
辞めた求職者も、適切な社会福祉を受けることができるようになった。
Q20
JSA-S1025に関係する良好事例(復職)?
A
休職者と関係者から、主観的・客観的情報を収集し、復職準備を開始しました。
その後、復職準備について定期的に経過観察を行いました。
復職準備中に、悪化を認めることがありましたが、傾聴・激励を通じて心理状態の改善を図り、復職準備で十分な結果を出し、復職につなげることができました。
Q21
JSA-S1025に関係する良好事例(異動の希望者対応)?
A
製造担当で採用されていた従業員が、事務職への異動を希望しました。しばらくして、「事務職への異動が必要」との診断書を持参しました。
職域健康専門家は客観的情報を収集し、事務業務の内容と異動不可の旨を、主治医に伝えました。その後、「コピー取で良い」と主治医から診断書が出ましたが、コピー取の業務はないことを伝え、主治医の理解を得ました。
従業員は、製造担当で勤務を続けました。
Q22
書籍のJSA-S1025を利用すれば、本サービスを受ける必要ないのでは?
A
書籍のJSA-S1025を購入いただき、内容に準拠して適切な対応を行えば、社長の控訴リスクが低減することが十分に認められます。
一方、健康管理の内容であるので、医師・弁護士といった専門家の協力を受けたいと希望された企業には、本サービスの提供を行います。
Q23
一般的な医師・弁護士と、本サービスの医師・弁護士の違いは何ですか?
A
一般的な医師・弁護士は、国家資格に準拠した専門性は有するもので、JSA-S1025に係る経験を有しているとは限りません。
本サービスの医師・弁護士は、JSA-S1025認証機関の定める基準を満たしたJSA-S1025認証専門官( 以下「認証専門官」 )になります。
また、認証専門官の学術経験と実務経験は、契約企業に開示します。
Q24
職域健康専門家はどういった人がなるのでしょうか?
A
JSA-S1025では、個人の健康管理に関する知識及び経験に長けており、加えて、組織に所属する従業員が、客観的に把握される事実、科学、法令などに基づき、不適切な健康被害を受けないように調整する技能を持っている者と定義されています。
個人と組織の両方を健康管理出来る者のうち、企業が、選任した者です。
Q25
職域健康専門家に関する資格はあるのでしょうか?
A
国家資格では、医者(産業医)、歯科医師、保健師、公認心理師、労働衛生コンサルタント、衛生管理者、衛生推進者等が該当します。
職域健康専門家の職責に加えて、国家資格で定められた職責を果たすことも求められています。
Q26
JSA-S1025を利用しない場合のリスクを、ご教示ください?
A
JSA-S1025は、社長が職域健康専門家へ具体的に業務を指示する時に効果が発揮されてます。
JSA-S1025を利用しない場合、職域健康専門家の属人的対応に依存することから、社長が求められる成果が得られない可能性があります。
実際、死亡災害や人権侵害が発生し、社長が引責辞任した事例があります。
Q27
ISO45001、JIS Q45001と何が違うのでしょうか?
A
ISO45001、JIS Q45001は、安全と衛生に対して、組織全体が一丸となって取り組む規格です。
JSA-S1025は、社長が、職域健康専門家へ具体的な取り組みを行わせるための規格です。
JSA-S1025に基づき仕様書・マニュアルを作り、職域健康専門家にISO45001、JIS Q45001の指揮監督をさせることもできます。
Q28
人権侵害が理由の健康障害は、対応をどうするのでしょうか?
A
JSA-S1025では、全ての健康障害を想定しています。
さらに、他の専門家が必要な場合は、連帯することになり、従って、人権侵害が理由の健康障害については、職域健康専門家は、コンプライアンス担当等の他の専門家と連帯することで対応が可能です。
Q29
JSA-S1025の社会的な必要性について、ご教示ください?
A
職域における健康管理の必要性は、労働安全衛生対策、健康経営等の目標として、労災防止、生産性向上、離職率低下等のメリットが示されています。
一方、それらのメリットは、専門家の質に大きく影響を受けます。
JSA-S1025は、社長が、専門家に行わせる業務を定めることで、専門家の属人性を低下させ、健康管理の質の均一化と向上を図ります。
Q30
JSA-S1025と人権尊重の取り組みの関係を、ご教示ください?
A
国連ビジネスと人権指導原則では、企業に人権障害をゼロにすることではなく、人権への負の影響を、防止・軽減するための取り組みが求められています。
JSA-S1025は、全ての人権障害に対応はしていませんが、健康が関わる人権障害については、職域健康専門家とその他の専門家が、連携し、早期発見・早期対応する必要があることを示しています。